ハワイ初ドリップコーヒーを展開。経営経験ゼロからの海外起業。新ビジネスを軌道に乗せる秘訣とは〜Hawaiian Drip Coffee 村上千博さん〜

青い空と海。穏やかな時間。世界中の人々を魅了してやまないハワイで暮らしてみたい、ビジネスをしてみたいと思う方も多いかもしれません。

今回お話を伺った村上千博さんは20年もの間勤務した会社を辞め、休息を兼ねてハワイへ起業経験ゼロからハワイ初のドリップコーヒー、「Hawaiian Drip Coffee」を開発・商品化させました。今ではABCストア店頭にも並び、世界中の旅行者から買われる人気商品となっています。


日本での会社員生活から一転、村上さんはどの様にハワイでビジネスを始め、現在の生活を築き上げたのでしょうか。PRライターの田辺美景がお伺いしました。




退路を絶ったからこそ、成功への道が拓けた

───村上さんはどのようにしてハワイで現在のビジネスを始めようと思ったんですか?

村上千博(以下、村上):会社員として勤続20年めのとき、東日本大震災が起こったんです。人生は一瞬で180度変わると痛感したとき、自分の人生について「何がしたいのか」と深く考え直すようになりました。


まずは長い間勤めていた会社を辞めることが僕にとって悔いのない人生を送るために必要な第1歩だと思い、退職を決意。大きな決断でしたが、それが今のビジネスにつながるきっかけでした。

退職後、休息も兼ねてハワイを訪れた際、「昔から大好きだったハワイに住みたい」という想いが強くなりました。


どうしたら住めるか、現地の日本人の方たちに直接聞き、情報収集した結果、ハワイでビジネスをすることが条件だとわかりました。

どうしようかと考えていたとき「ハワイでコーヒー事業に挑戦しないか?」ととある経営者の方に声をかけてもらいました。もともとハワイのコーヒーが大好きだったのでチャンスだと思い、その話に乗ることにしたんです。


ところが、いざスタートというときにその方が突然失踪してしまい、事業は頓挫。貯金もほぼ使い果たしていたので、当時は絶望しました。

しかしそんなときに、当時のハワイにはドリップコーヒーがどこにも売られていないことに気が付いたんです。同じようにハワイのコーヒーが好きな人は多いはずだし、観光地でお土産需要も高いハワイなら売れるんじゃないかと今のビジネスをしようと閃きました。



───そんな大変な状況の中、どうやって新たな事業を切り拓くことができたのでしょうか?

村上:ハワイでコーヒー事業をすると決めたとき、退路を断って、全力でチャレンジする覚悟を決めていました。絶対逃げないと。

だから基本的には、何があっても前を向いて進むことしか考えていなかったです。その覚悟があったから事業が頓挫して絶望しても、諦めることはせず、新しいチャレンジのタネを見つけてそこに向かって舵を切り直すことができました。


もう1度やってみて、それでダメなら自分の責任で納得もできると思ったんです。実際ドリップコーヒー作りに乗り出した後も、たくさんの困難がでてきました。

でも、出会う人たちに自分の想いを伝え、相談したり調べたり、とにかく行動しつづけて、1つひとつ解決していきました。やはり覚悟を決めると困難があっても積極的に行動しつづける姿勢を保つことができるなと思います。


やっとの思いで商品のサンプルができあがると、それを持ってショップを回る地道な営業を重ねたり、いろいろな交流会に顔を出しては名刺を配り歩いたりしました。

その結果、ご縁がつながってアラモアナショッピングセンターやハワイのローソンと置いていただける店舗が増え、ついにABCストアでも扱っていただけるまでになったんです。




新しいものを柔軟に受け入れ、助け合う。挑戦を後押しするハワイの土壌

───ハワイでビジネスをする魅力はどういったところにあると感じますか?

村上:やはりこの穏やかでリラックスした、ストレスフリーな環境で仕事ができるのはいいですね。スーツも着ない。通勤もない。日本で感じていたストレスとは大違いです。


ハワイは小さな島だから、旅行会社以外に大手の会社がなく、たくさんのスモールビジネスで成り立っています

ほかの人との距離感が近く、異業種の方との交流の機会が頻繁にあるため、1つ交流会に参加するとそこから別のコミュニティにつながって、どんどん人とのネットワークをつなげていくことができるんですよ。

自分のビジネスと直接結びつかなくても、ほかの誰かの役に立ちそうな人がいたらお互いに紹介し合ったりします。ビジネスの上でも助け合ってwin-winな関係を築こうという雰囲気があるのも、ハワイのよいところだと思います。



───ハワイでビジネスする上ではどんなものが求められるんでしょうか

村上:ハワイってものが溢れているんです。観光の街なので、ものと言ってもお土産などが中心になってくるんですけど。

なので、ハワイの人たちは、新しいものに非常に興味を持ってくれます。私が営業に行ったときも「おもしろそうだね、じゃあ置いてみようか」といった感じでショップのマネージャー判断で置いてもらえたりしました。


「とりあえずやってみようか」という感じで、門戸は広いです。やってみて、ダメなら止める。新しいものを柔軟に受け入れる土壌があるので、何か新しいことを始めようと考えている人にとっては、いい環境だと思います。

積極的に動けば人と人とがつながりやすく、新しいものを歓迎するハワイのよさを最大限活かし、自分のやりたいことの可能性を大きく広げていくことができるんじゃないかなと思います。




完璧な計画は必要ない。何かを掴むとを決めて、まずは行ってみること

───ゼロからハワイでの生活を築くために心掛けていたことはなんですか?

村上:やはり積極性は大事です。日本でも海外でも、受け身のままでは何も得られません

ハワイに来た当初、日本人を見かけたら片っ端からどんどん声をかけて情報収集するなど、自ら動く姿勢を崩さないようにしていました。


何をしていくかを決めた後、次に必要になるのは覚悟です。逃げ道を作らず、突き進むということです。

得てして人間って、自分の後に逃げるための橋をかけておいて、多くの人がそこを渡って帰っちゃう。だからその橋を自分で壊す。

それだけの覚悟を持って、前だけを向いて突き進む。たとえ失敗しても自分が決めてやり切ったなら次のチャレンジの糧になりますし、納得もできると思います。



───これからハワイに行って新しいチャレンジをしたいと思っている方へメッセージをお願いします。

村上:行く前の段階で、あれこれ深く考えて準備をする必要は特にないです。準備のためだけに時間が過ぎていって、結局行けなくなってしまうというのが1番もったいない

やりたいことが見つからなくても、何かを見つけにいくんだという想いを持って、まずはそこに行ってみる。そうすれば、現地で知り合いを増やすとか、情報収集するとか、行動するはずです。そこから興味のあるものが出てきたりするかもしれないですから。


ただ、数日間の旅行ではなく、数週間とか1か月とか、ある程度まとまった期間は必要だと思います。1歩を踏み出したいけどどうしよう……と、悶々としている時間は無駄だと僕は思います。

どんなに権力やお金があっても、過ぎた時間は絶対に戻せないんです。だから迷っている時間はとてももったいない。


1度切りの人生なので、ハワイで仕事がしたいなら、まずは踏み出してハワイに来てみてください。そして、観光ではなく、現地の仕事やビジネスの雰囲気を肌で感じてください。




インタビューを終えて

20年の会社員生活を断ち切り、入念な計画よりもまずは人生を変える1歩を踏み出した村上さん。自分をオープンにして現地の人と関わることでつながりを生みだし、道を拓いていかれ、プランありきではなく「1度きりの人生」を大切に生きることの素晴らしさを感じました。


準備のための人生を生きていないか?「1度切りの人生」自分ならどう生きるか?お話を伺う中で、改めて自分自身そんなことを問い掛けていました。

ハワイへの扉はすぐそばにある。勇気を出して開けてみることで、まだ見ぬ世界と、思った以上に力強い自分自身とにきっと出会えるのではないでしょうか。


(取材・執筆:PRライター 田辺美景 / 編集:PRライター Yumi Nakada・PRライター 吉川実久)



関連情報

Hawaiian Drip Coffee 公式サイト

0コメント

  • 1000 / 1000