多くの日本人が憧れるリゾート地、ハワイ。その地で「自分らしく働き、自分らしく生きること」を体現されている日本人がいます。
今回取材をさせていただいた、質問家・ライフトラベラーのマツダミヒロさんです。
マツダさんは年間300日以上を海外で過ごされています。企業のマーケティングや個人の生き方に活用できる「魔法の質問」を生み出し、ベストセラー書籍を多数出版。世界中での講演、セミナー活動、ラジオ番組など、幅広く活動されています。
世界中で仕事をされているマツダさんが、ホノルルを拠点においたのは2018年。どうしてハワイだったのか。また、海外で活躍するために大切なこころがけや工夫の仕方について、PRライターの斉藤里菜が伺ってきました。
海外で活躍するための第1ステップは、その土地の良さを肌で感じること
───ハワイでお仕事をはじめたきっかけはなんでしょうか?
マツダミヒロ(以下、マツダ):10年前に家族でマウイ島へ行ったんです。仕事が多忙な時期でしたが、思い切って夏休みを3か月とって行きました。当時はハワイで仕事をするつもりで旅先を選んだわけではありませんでした。
でも、穏やかに優しくつつみこんでくれる自然の豊かさが、素の自分に戻してくれるように感じ、「こんなにいいところだったんだ」と。マウイ島の魅力を知りました。
「この良さをみんなでわかち合いたい」とそのとき強く思ったのがきっかけですね。
現地在住の日本人との友だちづくりからはじめました。複数の部屋とヨガルームを完備している素敵な施設のオーナーと知り合いになり、そこでセミナーを開こうと決めたんです。
内容は、マウイの大自然や食文化に触れながら、自己との対話を深めて気づきを得ることを目的にしたもの。
ほかの友人にも掛け合ったところ、現地の食材を使った料理をふるまってくれたり、星空を見につれていってくれたりと、開催に協力してくれることになりました。
そして滞在3か月めには参加者を募集して、実際にセミナーを開きました。それがハワイでのはじめての仕事。いまでもそのセミナーは年に2回継続して行っています。
───ハワイで生活すること、仕事をすることの良さとは何でしょうか?
マツダ:ハワイは時間の流れがあまり早くないのがいいところですね。とくにホノルルは、ハワイの中では活発な場所ですが、東京とくらべると、ゆったりしていてとても働きやすいなと感じます。
僕は世界中を旅しながら暮らしていて、同じ場所にとどまることはなく、長くても1か月なんです。そのなかでも滞在場所としてはハワイが1番多いんですよね。
執筆や新しいプロジェクト推進などの日常業務などは、どこでもできることです。でもハワイの空気の中でやるのが、ほかのどの場所よりも1番はかどるし、うまくいくと感じています。
急かされず、自分のペースで仕事をするように意識している方や、自然を感じながら丁寧な生活を心がけたい方には合っていると思います。
なので、がっつり仕事をする場所と思うよりも、エネルギーをととのえながら仕事ができる場所としてとらえるとしっくりきますよ。
自ら動き工夫をこらす。このくり返しでどこでも快適な働き方ができる
───ハワイでの失敗談や教訓があれば教えていただけますか?
マツダ:行動を起こさなかったことの後悔、失敗はありますね。今はホノルルに家がありますが、去年まではマウイにしか行ってなかったんです。わざわざ人混みにいかなくてもいいのに、と避けていました。
しかし、友人が所有するコンドミニアムでの滞在をきっかけに、「ホノルルってすごく快適で便利なんだ!」と気づいて。ホノルルがどんな場所か、興味を持って自ら知ろうとしなかったことを後悔しました。
有名なショッピングセンターに隣接し、中心部へのアクセスもよく、オーシャンビューで優雅な時間を体験できる環境、ここなら住んでみたいと。
ただ、購入するにはとても高額。ハワイではキャッシュで家を購入するしかないと思っていたのですが、偶然同じ条件の物件が賃貸であることを友人を介して知り、去年から借りることができたんです。
ハワイにも賃貸があることを知らなかったんですよ。住んでみたいと思いながら、知ろうとしていなかったことが僕の失敗なんです。
行動を起こしたから失敗じゃなくて、それまで行動を起こさなかったことが失敗だなと。だから、何かしたいと思っていることがあれば、動いてみることが大切ですね。
───時間と場所にとらわれない働き方の工夫を教えてください。
マツダ:まずはクリエイティビティのある仕事をすることだと思います。具体的に言えば、僕たちは請け負う仕事はほとんどなくて、自分たちで企画や商品づくりをして販売する形態をとっています。
そうすると、日本にいるクライアントとの打合せ調整による時差のストレスもなく、効率的に働きやすくなります。
また、滞在場所を自分たちの「家」だととらえることもおすすめです。僕は自宅グッズという旅行用荷物をつねにセットして、世界のどこにいてもホテルを自分の家にできるようにしてあります。
出先からホテルに帰るときも、「家に帰ろう」と言える感覚になるくらい、快適に過ごす工夫をしていますね。
あとは日本各地にいる、一緒に仕事をしているメンバーと、年に数回、時間を合わせ、世界のどこかで集合し、10日間くらい共に過ごすようにしています。
大きい家を借りて、一緒に仕事をして、一緒に遊んで。普段違う場所にいるからこそ、そういったコミュニケーションをとることは大事ですね。
相手と自分の想いに向き合い、探求しつづけることで可能性がひろがる
───海外でお仕事を継続していくうえで大切なこころがけとは何でしょうか?
マツダ:仕事とは、何もないところからつくるのではなく、その土地や人との関係性を大切にすることで「生まれる」ものだと思っています。
そのためにはまず、実際にその土地とつながることですね。できれば観光でなく、現地の人と同じような「暮らし」をしてみて、土地のエネルギーを感じるとよいです。
そしてそこで友だちをつくることも大切です。「ご縁をつくる」と僕は表現しているのですが、ハワイであれば、ハワイとつながっている人たちとのご縁、つまり関係性をつくることです。
そのご縁をつくるには、「その人を幸せにするためにできることは何だろう?」「その人に喜んでもらうためにできることは何だろう?」と見返りを求めずに、ひたすらやりつづけることなんですよね。
そうすると、つながるべき人との関係は次第に深まっていって、仕事が生まれていきます。僕は英語を話せませんが、いまは現地に日本人の友人が沢山いて、仕事でも助け合う関係ができています。
───これから海外で挑戦したいと考えている方へ、アドバイスをお願いします!
マツダ:まずは本格的に渡航する前に、お試しで行ってみるといいです。1年住みたいなら、まずは1か月行ってみる!とか。
そして、なぜそこに行きたいのか?どうしてその場所でなければならないのか?なぜこのタイミングなのか?を自身に問いかけてみてください。
その答えが、頭で考えたものではなく、自分の中から湧き出できたものであれば、行くべき場所だと考えてよいと思います。
というのも、リアルにイメージできたり、聞かれたら何でも答えられたりするレベルまで情報を調べあげる、というのは物事を成し遂げるコツなんです。
僕は叶えたいことがあると、細かく調べ、あたかも実現したかのようにエイプリルフールの日に発信する習慣をつづけていますが、これまでほぼすべて叶っているんです。
そこまですると、入ってくる情報や出会う人も変わってきて、叶う方向に向かうんですよね。
みなさんも、ぜひ叶えたいと思ったことは発信しつづけてみてください。心から思っていることであれば、誰かがレスポンスをくれるし、応援してくれる人が出てきます!
インタビューを終えて
こんにちは。今回インタビューを担当したPRライターの斉藤里菜です。
世界中に多くのファンや仲間、ご友人をもつマツダさんの貴重なお話を伺い、どのご経験も、1つひとつの「ご縁」を本当に大切につないできたからこそ得られた実りなのだなと感じました。
そして、「今までのあらゆる場面における言動は、出会った人に対しベストであっただろうか?」と自身を見つめ直すきっかけにもなりました。
相手の幸せにとってのベストを考え抜いて動くこと。どこにいても、どんな状況であっても、心に留めて進んでいきたいと思います。
(取材・執筆:PRライター 斉藤里菜 / 編集:PRライター 井澤久美子)
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