海外を視野に入れているけれど、どのように動き出せばいいのかわからないという方もいるのではないでしょうか。
今回は、チャンスを逃さずに憧れを実現させるための行動とその心構えを、ニューヨーク本店・ロンドン・東京の3か国にサロンを持つHAYATO SALONSで、COO(最高執行責任者)兼アートディレクターとしてご活躍されている鈴木太一さんに、PRライターのHitomi Fukuokaが伺いました。
やりたいことを明確にする。それが、夢の原点になる
───ニューヨークで働くことになったきっかけを教えてください。
鈴木太一(以下、鈴木):美容学校を卒業したあと、海外を巡ったことがきっかけです。
今はニューヨークと日本を行き来するワークスタイルで、お客さまへの施術はもちろん、ヘアサロンの運営に関することや、アートディレクターとして技術指導などを行っています。
でも、昔から海外で働きたいと考えていたわけではなく、美容学校卒業時は自分のやりたいことがまだ明確ではありませんでした。なので、すぐに就職はせず、自分としっかり向き合う期間を2年ほど設けました。
その間にイギリス、イタリア、フランスなどさまざまな国へいきました。
なかでも、ニューヨークの街のパワーに最も魅力を感じたんです。地下鉄に乗るだけでも、街を歩くだけでも、新鮮で楽しくて。
それをいっぱい感じたいと思い、ニューヨークという街で働こうと決めました。
そこから実際に働くための方法を探しはじめて、ニューヨークに本店のある現在のサロンを見つけました。採用者はほとんどが本店で行われる研修プログラムに参加できると知り、現地で働くきっかけになると思い入社しました。
もし少しでも海外に興味があるなら、実際に行ってみることをおすすめします。自分がどんなことに刺激を受け楽しいと感じるかを知ることは、きっと次の行動のヒントになるはずです。
───ニューヨークで実際に働くことが決まったとき、不安はありませんでしたか。
鈴木:不安よりも、やりたいことがようやく見つかってそこに向かって走っていけるというポジティブな思いの方が強かったですね。
ただ、その当時は英語が話せず、ファーストフード店で注文したりタクシーで目的地を伝えたりすることもできないほどでした。
そのため、英語の本を読んだり外国人の友だちをつくったりして、英語の環境に身を置くように工夫して必死に勉強しました。やりたいことが明確にあったことが勉強のモチベーションにもつながっていました。
モチベーションをあげるためには、不安な気持ちがあったとしても、自分が何かを成し遂げたいと思った原点の気持ちが1番の心のエネルギー源になるので、その気持ちを忘れないことが大切です。
ニューヨークは、多様性を認め合う環境があるから成長につながる
───ニューヨークで働くうえで心がけていることはどのようなことでしょうか。
鈴木:ニューヨークの人たちは、仕事に対してプロフェッショナルである意識を持っていて、プライベートや仕事の休憩時間も含めてバランスをうまくとっている方が多いです。
自分の仕事はここまでだ!としっかり区切りをつけて働くので、担当外の仕事をお願いすると断られることもあります。そういった働き方の違いに最初は戸惑いましたが、個性の違いだと考えると視野も広がり想定外のことも楽しめるようになります。
また、ニューヨークで美容師はアーティストとして見られていて、お客さまから対等な関係でアドバイスを求められることが多いので、僕もプロフェッショナルであることを特に意識しています。
たとえば、身なりや服装に気をつけて安心感を与えられるようにしたり英語に自信がなくても大きな声で話して伝える姿勢を見せるようにしたり。
僕が仕事をはじめたばかりのころは、英語が話せないことが理由でお客さまに担当を外されてしまったことがありましたが、そのときは悔しさを糧に勉強をつづけ、自分のできることを積み重ねることで信頼を取り戻していきました。
ニューヨークは、意志だけじゃなく姿勢も評価してくれる街なので、ぜひ積極的に動いていってほしいですね。
───ニューヨークで働くうえでのやりがいは、どんなところでしょうか。
鈴木:さまざまな思考やバックグラウンドを持つ多種多様な人たちとコミュニケーションをとりながら、自分の価値観が広がっていくのを感じられるところです。
日本にいるときは無意識のうちに固定概念にとらわれがちだったんですが、海外に出てみたことで、自分自身が本当にどうしたいのかをより考えるようになりました。
また、ニューヨークでは、トレンドもパーツの1つでしかなく、ファッションでも食べ物でも、別に自分が好きだったらこれでいい、というシンプルな選択をされる方がほとんどなんです。
その選択にはひとつの正しい正解があるわけではなく、個人の嗜好やライフスタイルに合った正解がそれぞれにあるんです。
僕の場合はそこをお客さまと一緒にさがしていくこともおもしろく、やりがいでもありますね。
信頼とチャンスは行動から。やりたいことには手をあげて、意思表示を
───ニューヨークで生きていくために、必要なことは何でしょうか。
鈴木:自分がやりたいと思ったことに対して、行動したり発言したりしていくことです。
もともと周囲の人たちも臆することなく発言していく文化があるので、英語が話せない、恥ずかしい、明日やろう、ということを考えているうちにチャンスは過ぎてしまいます。
発言せず後ろで順番をただ待っているだけでは、自分の番が回ってくることはありません。やりたい人が、はい!と手をあげてやっていく、ニューヨークはそれだけスピード感がありチャンスにも溢れている街です。
まずできるかできないかよりも、行動そのものが周囲の人たちからの信頼につながっていきます。
自分がやりたいことを明確にして、そのために行動するというシンプルなことをつづけることが大切です。行動を止めず、憧れや夢を諦めなければ応援してくれる環境がニューヨークにはあります。
───海外やニューヨークに渡って挑戦したい人に向けて、メッセージをお願いします。
鈴木:少しでも海外に興味があったら、とにかく行ってみてほしいですね。
実際にその場所で、自分の心に火がつくことって今まで思ってたことと全然違うこともあるし、頭で考えるだけでなく自分の肌でどう感じるのかということを大切にしてほしいですね。
また、自分がやりたいことが明確ではなく迷っているときは、まず5個くらいやりたいことをピックアップして片っ端からやってみるといいですよ。
それが本当に自分の心が震えることなのか体験してみないと絶対にわからないので、やってみてから決めてもいいし、違ったらやめてまた別のことを探せばいいんです。
スピード感があるニューヨークだからこそ、1歩進むだけで違う景色に出会える。みなさんもぜひ1歩を踏み出して自分の心震える体験を大切に、進んでいってください。
インタビューを終えて
今回の取材を担当しました、PRライターのHitomi Fukuokaです。
太一さんにお話をうかがって、知らないことが多く不安の方が大きくなりがちな海外生活でも、主体的に動いて感じることを楽しむ力が、夢を叶える力にもつながるのだと思いました。
五感を働かせて自分なりの正解を見つけること、1歩動いた先で自分がどう感じるのかということも好奇心を持って楽しみながら、私たちも進んでいきたいですね。
(取材・執筆:PRライターHitomi Fukuoka / 編集:PRライター 吉川実久)
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